人形

魂の抜けたその器は、まるでよくできた人形のようだった。
普段は大きかったその器も、こうして棺の中で小さくなっている。
 
仏教では、人は死して仏となるそうです。
人がこの世にいるのはなんでも仏になるための修行なんだとか。
 
で、仏教の考え方として、「自分のものは何も無い」っていうのがあるんですよ。
この世にあるものは何一つとして自分のものではない、という考え方。
なんでも、自分のものだ、と認識するその心から煩悩が生まれるらしいです。うろ覚えですいません。
なので、自身の命ですら自分のものではない、ということに。
 
まぁ、命は生み落されるものですからね。
その生み落した主が仏なのか神なのかの違いぐらいであって。
大して差は無いと思うのですが・・・。
なんせ私は無宗教ですからね。
 
で。
最終的には仏になるわけですが。
んじゃその前に何ができるんだ、と。
そう考えた時に残るのは、いかに自分を表現できるか、いかに楽しく生きていけるか、ですよね。
極楽ではない俗世を生きる私達には当然のように困難が降りかかるわけです。
それをいかに「玩ぶ」ことができるか、「楽しいように」感じられるか、で人生の面白味って変わると思うのですよ。
苦悩できるのだから、その分の楽しみ、ってもんを、ね。
 
ってなわけで、これから苦労をしにいきます。後の楽しみのために。