覇気がない。
そう言われることも時々ある。
 
確かにね。
覇気なんてもんはないよ。
覇を唱えるのはボクの趣向に合わないから。
だから今のボクの目には重いものなんて映らない。
希望も、絶望も。
一線を画したところから眺めてるに過ぎない。
ただ視ているのは。
無なんだろうか。
 
 
覇を唱える、それもまた現世の夢。
しかしながら古きを良しとしてしまうボクにはそんなもんは向いていないだろう。
革新、なんて言葉はボクの口先では空回りするだけだ。
それでも、興味本意でそんな世界に飛びいった自分がいる。
 
覇を唱えずして何ができるだろうか。
補助にしては頼りないし、パシりにしてはあまりにも器用だ。
帯に身近し襷に長し。
だったら包帯にでもなってやろうか。
 
 
今は、まだ何もかもが暗闇だ。
ボクの目にはそう映る。
 
 
まあ、あの青空はそんなこと、知る由もないんだけどね。