自分は、愚か者だ。

RADWIMPS狭心症
 
 
 
正直言って、コメントできない。
 
 
 
曲を繰り返し聴いて、PVを何度も見返して。
でも、何故か、腑に落ちてこない。
 
落としたくないのかもしれない。
落ちて欲しい気なんてハナからないのかもしれない。
でも、腑に落ちた感覚は欲しかった。
 
 
 
 
そう。
おしゃかしゃま」をバンドでやった時も思っていた事だけれど。
 
RADWIMPSは確かに日本における素晴らしいバンドの一つだと思うし、技術だって、表現だって、他の追随を許さないだけのものがあると思っている。
それは、実感でもあるし、周知の事実ですらある。
 
でも、何故か。
自分の心の臓を貫いてこない。
 
いつもどこか一歩退いたところからでしか聞けない。
 
 
 
 
この世の不条理、なのか。
あるいは混沌としたもやもやした憎悪なのか。
 
そういったものを、たぶん狭心症で歌っている。
 
 
Youtubeのコメント欄には全てを肯定する文や、不条理に立ち向かう勇気をもらった、といった文がズラリと並んでいた。
まぁ、そういう曲だから、そうなるのが当たり前なのだろう。
 
つまりは、これを聞いてなんとも思えない自分の方がおかしいわけだ。
 
 
子供だから?
無知だから?
能無しだから?
 
 
 
 
この曲から自分がもらったものは、他でもない、この疑念だ。
 
 
 
自分の、芸術性は、どこにあるのだろう。
というよりは、そもそも自分に芸術を語る資格なんてないのだろう?
それを、あたかも全能であるかのように語る自分が今もどこかにいる、と思うと自分自身に吐き気すら覚える。
 
 
 
 
 
 
でも、自分は。
何を吐き出そうと、何を創ろうと、何処へ逃げようと。
自分自身からは逃げられないから。
 
たとえそれが虚構で作り上げた幻想であったとしても、そこまで作り上げた物語を今更放棄する事は出来ない。
 
もう、見失いたくはない。
 
 
 
 
方向性が違う、の一言では片付けたくなかった。
だから、意味もない「戯言」をまた、書いた。
 
 
 
 
RADWIMPSを否定するつもりは一切ない。
ただ、否定するべきは自分にあるのかもしれないという疑念と、自己中心的な排他的な自我との間に板ばさみされてつらいだけなんだ。
 
 
 
 
世間がフシ穴なのか。
自分がフシ穴なのか。
 
 
 
 
覚悟は、していたはずだったのに。
またこうやって他人の意見を疑いだした。
だから、自分は。
 
 
 
 
 
 
とりあえず。
「今の世界を変えたい」という思いと「今の世界は最低だ」という憤慨は感じれた気がする。
やっとの思いで。
 
でも、でも。
自分はもうそっちにはいないし、戻る気もない。
嘆いたところで、宣言したところで、何になるのだろう。
 
「聞かないヤツには何を言ったって意味がない」。
「賢者と愚者は決して相容れない」。
「伝わらない方が、自然なんだ」。
 
自分には非常に冷めた哲学がある。
それが最初の哲学だから、なおさらたちが悪い。
 
 
自分には、世界をどうにかする気はさらさらない。
もう少しはっきりいえば、自分は他人を心から愛する事は滅多にない。
誰かのために、なんて、偽善だ。
 
自分も救えない人間が、他人を救えるわけがない。
そんなヤツが天狗になって有頂天になってリーダー面したところで、誰も得しない、白昼夢のようなもの。
自分は、そうやってリーダー面したがるから、そんなヤツを上におくわけには、断じて、いかない。
 
 
 
音楽、か。
自分自身未だに何がなんだか分からない。
 
確かに自分の心は揺らいだし、世界の情勢を変えるような出来事すらあった。
でも、それが、果たして。
自分に出来るかどうか、といわれれば、答えは今はNOだ。
 
 
あんな得体の知れないものを相手にして、それをいとも簡単に操って、人に絶賛される。
ただそれだけのことなのに、あんなに魅了される。
 
 
それでも。
音楽で、世界が、変わるものか。
 
 
そんなんで変われるくらいなら、警察も、弁護士も、カウンセラーも、大統領も、全部全部やめてみんなでミュージシャンにでもなればいい。
義務教育なんてもんを撤廃して国民をみな超一流のミュージシャンにでも育て上げればいい。
 
 
音楽は、そんな俗世間のためなんかにあるわけじゃない。
 
 
もっと崇高で、もっと上品で。
それでいて敷居が低く、何より人の心を操る。
 
 
そんな、そんな、天から授かりし人智の極みを、そんな下々の評判のために使うんじゃない。
 
 
 
 
 
発掘した財宝を、その場で纏うことはしないだろう?
 
 
 
 
 
 
 
そうやすやすと、音楽を語るものではないし、ましてや芸術を語るなんてのはもってのほかだと思う。
だから、自分はそれを破るほどの愚か者だ。
 
でも、そうでもしなきゃ。
誰一人として知ってはくれなかったから。
 
 
 
 
 
・・・冷めた。
また次回。