Merry Christmas Mr.Lawrence

「メリー・クリスマス、Mr.ローレンス!」
北野武演じるハラ・ゲンゴ軍曹の言葉である。
映画「戦場のメリークリスマス」における名シーンの一つでもある。
 
この季節だから思い出した、思い出せた。
 
よく「最大の被害者は、他ならぬ、この自然なのかもしれない」といった感じの台詞を聞く。
この言葉自身に間違いは無く、かといって正解でもない。
なぜならば、我々は常に自然を侵して生活しているし、過去のあらゆる生き物がそうしてきたのだ。
しかし私達の立ち位置から考えると、侵しているのではない。そうせざるを得ないのである。
何かによって与えられたものを、ただ、利用しているのである。
 
ただ、利用の仕方が間違っていることもある。
 
過度に命を奪うこと、過度に資材を使うこと。
これらは世間一般には・・・いや、現代人の意識の中では間違っていると感じる人がほとんどだ。
何故間違っていると感じるのか。
理由は単純で、ここにある秩序を乱さぬようにするためである。
だから法律があり、罰がある。
しかし。
秩序が無いところであったら、この観念は必ずしも正しいのだろうか?否である。
人は何のためにしろ、それを達成すべく生きていくものであるとボクは思う。
生きて何よりなのだから、それを阻むものがあったら排除せねばなるまい。
それは、紛争地帯・戦場においてもまた然りである。
 
正義を掲げて、不義を恨んで、それらを排除する。
それは、本当に正義のため、いや、自分のためなのだろうか?
 
仮に、悪が絶対にない世界が在るとしよう。
そこに正義はあるだろうか?
不義とするものが無い、正義の名の下に鉄槌を下す者たちがいない、そんな世界に、正義も悪もあるのだろうか?
 
正義も、悪も、そして秩序ですら。
人が人のために作り上げた「存在しうるはずの無い」ものなのだ。
それなのに、人は、人に、脅迫じみた口調で、それが絶対であるかのように、伝えてきた。
今私達が「みている」セカイに、"本当"のものなど、何も無いのに。
 
だからといって、ボクは犯罪を薦めるわけではない。そしてそれと同じくらいに正義に縛られるのも良くないと思っている。
正義も悪も、紙一重、隣り合わせだから、正義や悪なんかに頼るのは、ダメだと思う。
良識の判断で、自らの経験で、未来を見据えて。
自分が信じる"自分"を頼りに、道を進むしか、方法なんてないと思う。
 
もっとも、自分が頼れなくて、自分に嫌悪感を抱いていて、自分が大嫌いだ、という人もいると思う。
だが、ボク自身その一人である。
それでもこうやって「自分だけが頼りだ」と言えるのは、この世界を信じるよりも、ずっとずっと楽だからである。
それくらい、世界ってのは揺らいでるものなんだ。
 
絶対のものなど存在しない。
たとえそれが今信じられている「絶対の法則」だったとしても、だ。
 
閑話休題、みなさん、数学の世界を思い浮かべて欲しい。
数が支配する世界、といったところであるわけだが。
その世界は絶対であるらしい。詳しくは知らないからどうともいえないが・・・。
しかしその世界は「数がある」という"仮定"のもとにある世界、とは言えないだろうか。
数が存在しない世界に、「数学」という絶対の世界など存在しうるはずがない。
つまりは、この"みている"世界で絶対の世界を作るには"仮定"しなければならないのだ。
それにしても数学が作り上げた世界ってのは完全ではないにしろ、他の世界には無い達成度がある。いやはや恐れ入る。
 
"みている"世界に絶対など存在しない。
もっと言えば、「絶対」という言葉ですら真の絶対ではないのだ。
そして、絶対が存在する世界は"みえない"のだ。
 
死して見れるかも分からない"みえない"絶対の世界。
"絶対などない"のだから触れられる、そう信じている。
 
イデア論に近しいところもあるような気がする。
まぁ、イデア論は矛盾しているわけで。そうだとしたらこの思想ですら矛盾しているのだと思う。
だが、矛盾している、と思うのは対象間にある壁がそうさせるのだと思う。
もし、ボクとまったく同じ生き方をしている、同じ容姿の、同じ日時に生まれた人がいたら、同じように感じるのだと思う。
結局、矛盾してるかしてないかなんてのも、要は後付けの飾り。
もっと言えば正解か不正解か、正義か悪か、白か黒か、なんていうのもそんなものだと思う。
ボクが言いたいのはそんなことではなく、ここにはこういう考え方もありますよ、ってことだけ。
 
長々と書いてきて、大分疲れてきたので、そろそろ締めます。
 
ともかく。
絶対なんてないのだから、押し付けるようなことをするのはだめ。
"するべきかしないべきか"なんてのは先人を見習えばすぐ分かる。
教える、というのは教える人間側の"作り上げた"ヒントを与えているだけのこと、答えは教えてない。
大事なのは、周囲の目線や批判ではなく、自分だ。
周囲がいやなら目を閉ざせばいい、耳を閉ざせばいい、何も言わなければいい。
周囲に攻められて死ぬようなマネだけは、するな。
死ぬのも、生きるのも、自分次第なんだ、人に奪われるようなものではない。
 
・・・とまぁ、こんなところでしょうか。
最後まで見てくれた人はまずいないでしょうね。。。
もし見てくださった方がいたら、もう本当にすいませんでした、と。
とまぁ、こんな感じで今日はおしまい。
 
戦場のメリークリスマス、いいと思います。
"人の作った"秩序で守られてるからこそ、"守られていない"環境を感じる、ってのは凄く大切だと思います。
ですが、命あってこそ。生きていたいなら、死にたくないなら、そこでただ祈っててください。
私は私の命しか守れません。