Remember

忘れたくないのに、忘れてしまう。
人類の英知の影の立役者にしてやられている。
そんな自分が嫌で、それでもそうするしかなくて。
 
忘れたくない。
忘れたくない。
何時だって、どんなときだって。
忘れてしまう。
忘れてしまう。
何時だって、どんなときだって。
 
忘れなければいいのに。
忘れることを忘れてしまえばいいのに。
 
自分にとっての最後の忘却が、忘却そのものでありますように。
 
確かに。
嫌なことを忘れられないのは辛い。
だが、辛さすら愛せるなら。
辛さすら眺められるのなら。
忘却を忘れたって構わない。
 
忘れたくない。
忘れたくない?
忘れる?
…忘れた。