Artistic

変拍子の人生に、不似合いなほどの4分の4拍子。
ずれているのが好きだと思っていたけど、求めていたのはありきたりな8分音符。
アクセント欲しさに求めた16分音符。
変拍子にはうってつけの3連符。
けれどいざ奏でてみればただの行進曲。
変調もなく、見事なまでにリズムキープされた行進曲。
 
欲しかったのは、こんな曲じゃなかったはずだ。
求めていたのは、こんな旋律じゃなかったはずだ。
最先端を求めて古典に走ったというのだろうか。
テクノやラップ、ディスコだってあるし、新たな旋律なら腐るほどある。
それなのに古典に走ったというのだろうか。
 
オリジナリティはいやというほど生み出せた。
欠けていたのは客観性だった。
主観に走るためには客観を求めるべきとは、何とも皮肉。
 
生み出したその時から音楽はオリジナリティの塊であった。
だが、塊のままでは宝石はただの石だし、起爆しなければ爆弾もただの塊である。
この塊も磨かなかった故に光りもせず、この塊もスイッチを入れなかったが故に爆発しなかった。
磨かなかったのは誰だ。
スイッチを入れなかったのは誰だ。
 
行進曲はロックに。
クラシックはテクノに。
ラップは演歌に。
 
改革こそが芸術。
改変こそが我が曲。
変革こそがオリジナリティ。
 
変拍子という名の筆で
キャンパスという名のタクトで
虹色を埋めつくし
長調を描き 短調を飾ったら
それこそが自分の曲
それこそが自分の絵画
休符すら美学
無色すら踊りだす