渦中の鍋

このブログではなるだけ一人称を「自分」とか「ボク」にするようにしています。
というのも、このブログを始めたときに「なるだけ中性的なかんじに書こう」と思っているからであって、今でもそれは基本的に守る方向にあります。
…ですが。
今日は、その、かなり苛々してるので、あの、「俺」でいきます。
見苦しくなると思いますが、ご了承ください。
 
それでは、以下が本編です。
 
 
 
 
つまるところ、自分は何がしたいんだ。
ドラマーか?声優か?アレンジャーか?それともキーボーディスト?
前に「声優やる」って言ったけど、今はその時以上に迷っている。
 
夢や理想は、自分で処理するもので、見るもの。
目標は、見るだけじゃなく、それを実現させなきゃ意味がない。
 
 
自分の中では、音が全て。
声優のような、声を操る仕事も良し。
はたまた音楽人として曲を奏でるも良し。
 
今はどちらも夢なんだ。
…どちらを目標にする?
 
 
生まれてこのかた音が自分の中から消えたことはない。
だからこそ、悩むんだ。
 
 
…悔やみたくないから。
今悔やむんだ。
 
 
どちらも、妥協したくない。
 
どちらも、失いたくない。
 
胃が痛くなるほど考えた。
夜を忘れるほどに考えた。
そうしてまた一つ夜を越え、そうしてまた一つ月を終え、また見知った太陽が昇る。
それでも、一向に闇は明けない。
 
スライムのような地獄、月のない夜。
出口のないトンネル、苦い果実。
それらをあと何回味わえば、許される?
 
 
 
苦悩と恋愛に似た胸の苦痛。
与えておいて逃げるなんて、あんたも酷い人だね。
…片想いは、もう慣れたけど。
 
 
いたずらに俺を弄ぶ運命。
抜け出せないメビウスの輪
矛盾と肯定の狭間で愛と鞭に叩かれる。
消えない思いだけが残る。
 
 
ワルツのステップで火へ。
タンゴのステップで鞭へ。
マーチング隊は悪魔の元へ。
 
 
葛藤。
 
中途半端な俺。
 
苦痛。
 
生半可な痛み。
 
理想。
 
馬鹿デカい壁となって立ちはだかる。
 
 
雨のリズムと相まって、悲しさは月を濡らす。
高速の音は、俺の未来を奪っていく。
光の在処を、教えて。
 
 
目指すものは、自分。
夢見るものは、頂点。
 
ふと目を閉じれば歌姫の姿。
幸せ運ぶ天使をつれて、純白の聖域へと誘う。
 
 
――暗転。
 
 
目を覚ませば、黒い太陽。
禍々しい骸骨の山、置いていかれた光の山。
 
手に取ることすら怯えてしまう。
たとえ、そこに正解があったとしても。
 
―歌姫は、どこ?
―天使は、誰?
 
 
…鎌。
 
刈り取りに来たのか、死神。
俺はまだ、捨てたくない。
ここに光を置きに来たんじゃない。
置いていかれた光を、取り戻しに来たんだ。
四年前に失った、大切な「」を。
 
 
…鎌。
 
 
――暗転。
 
 
 
 
暗闇で響く「鬼さんこちら」。
手のなる方は、どこ?
俺は、どこ?
 
 
視界は暗くて明るい。
目隠し越しに見える白い世界。
だからこそ、わからない。
それが、世界かどうかが。
 
鬼さんこちら
手のなる方へ
 
 
―音が聞こえる。
 
誰にも聞こえない、誰にでも見える音が。
 
これは、現実?
それとも、過去?
はたまた、未来?
 
 
―転送。
 
 
 
―答えは、出たかい?
―君の、未来は?
 
俺の…未来?
 
 
そうか、なら間違いない。
あの歌姫も、あの音も。
あぁ… ―そうか。
あれは、やっぱり―。