悔悟奮発

ChoiceがAlternativeに変わる前に
 
 
 
 
 
 
道は2つだって思ってた
どっちに行こうとも虎に食われるか蛇に呑まれるのだ
だから
一歩が踏み出せなかった
 
踏み出したつもりだった
所詮人間は
生まれたときが死への始まり
死ぬときは生への旅の始まり
だから
別に
虎だろうと
蛇だろうと
どうでもいいって
心で叫んで
体で泣いていた
 
 
結局ね
思ってたつもりだった
 
 
それはまるで
「よーい」の合図
包丁を降り下ろす直前
飛び込みスタートの前
 
なんにも始まっちゃいなかった
 
なんにも終わっちゃいなかった
 
 
全部
幻だった
 
 
いや
そこにそれらはあったのだ
 
幻を信じて
どんの合図で駆け出して
包丁を降り下ろして
水中へ潜っていれば
今頃
虎か蛇にやられていたのだ
 
 
 
道は
幻に隠されていた
 
 
いや
偶然と森羅万象のなせるわざ
過去と愛の共同製作
 
初めて惑った道にしては
あんまりに難題だと
イタズラな神様もさすがに思ったのだろうか
 
神様を信仰した覚えはなかった
でも
そこには確かに
神様がいた
 
 
3つめの道が
そこに開けたのだ
 
 
荊の道
鞭打つ人
炎の車
早すぎる時計
 
しかしそこに
虎も
蛇も
どうしたことだろう
まるで飼育されているかのように大人しいのだ
 
 
 
危機はやってくる
直にやってくる
 
3つの道から選んで
体に傷をつけ
心にトラウマを植え付け
器に炎を注いで
進むしかない
 
 
 
ChoiseがAlternativeに変わる前に
確固たるPride
不屈の闘志
 
 
どうせ死ぬんだ
かっこよく死にたい
そうでしょう?
 
 
のたれ死ぬのは
まっぴらごめんだ
 
 
 
いつか死ぬ
その前に
 
直にやってくる危機を思い出す
その時に
 
 
こんな苦しみもあったっけ
そう
笑って
死ぬために
 
 
 
流血
骨折
構わない
 
挫折
頓挫
しない
 
 
確固たるwill
不屈の精神
 
 
それしか
自分を守ってくれないから
 
もう
神様はこないから
まるで
柳の下のどじょうのように
 
 
 
 
 
懊悩焦慮
波乱曲折
 
 
構わない
ただ貫くだけ
 
たとえ
この身が変わり果てても
この心が削り尽くされても
 
 
 
信念の刃を
折らせるわけにはいかない
 
 
 
だから
いま
 
 
本当の意味で
第一歩を
踏み出しにいく
 
変わるために
変えさせないために
 
 
 
 
 
いまはもう
一本の道しか見えない