現実味の無いリアル

白と分かるのは目があるから。
黒と分かるのは目があるから。
色が分かるのは目があるから。
 目が無かったら色なんて分からない。
 
いい香りと思うのは鼻があるから。
臭いと思うのは鼻があるから。
においが分かるのは鼻があるから。
 鼻が無ければにおいなんて分からない。
 
甘いと思うのは舌があるから。
すっぱいと思うのは舌があるから。
味が分かるのは舌があるから。
 舌が無ければ味なんて分からない。
 
痛いと思うのは触覚があるから。
くすぐったいと思うのは触覚があるから。
触れたと思うのは触覚があるから。
 触覚が無ければカタチは分からない。
 
うるさいと思うのは耳があるから。
姿勢を保っていられるのは耳があるから。
平衡感覚や音を感知できるのは耳があるから。
 耳が無ければ不安定な世界だ。
 
 
本当と思うのは主観があるから。
嘘と思うのは主観があるから。
感動できるのは主観があるから。
 主観と言う色眼鏡で見てるから。
 
客観視できるのは主観があるから。
放っておきたくなるのは主観があるから。
諦めたくなるのは主観があるから。
 勝手に諦めて後悔するのも自分だから。
 
 
 
嘘も本当もこの「セカイ」にはない。
ただ、あなたの主観を通して歪んだ世界を、あなたが見てるだけ。
だから、あなたは情報に惑わされる、情報にとらわれる。
嘘も本当も入り混じった世界で、嘘も本当もない。
 ―いや、嘘も本当も意味を成さないだけ。
 
事実を見たいなら、そのメガネを外せ。
クリアに見えるその世界は、ただあなたが勝手に描いている夢なんだ。
 
だから、人は言う。
 ―「事実なんて、どこにもない」と。