Title is None

―無常感とはよく言う。
―だが、それとは違う、無の感覚。
 
ボクを通り抜ける冬の風がこう歌っていた。
―"孤独になんてならない"と。
 
俺にぶつかっていく寒風がほざいていた。
―"孤独になんてなれない"と。
 
通り抜けた後に残ったもの。
―これは、涙?
 
ぶつかった後に残ったもの。
―これは、痛み?
 
 
何だって取り込める―
この優しさこそがボクのアザ―
 
何だろうと受け入れる―
この諦めこそ俺のキズ―
  
僕の目指した優しさは。
 
俺の持ってたプライドは。
 
―こんなにも、不完全で。
 
 
ボク、という個体が薄れていく―。
刺激的な心の前には、為す術も無くて。
 
俺、という個体が崩れていく―。
切れ味の悪いナイフのように、こんなにも無力だ。
 
 ―ココロノコエヲキカセロヨ
 ―キミハ、ドコ?
 
・・・ボクはふと思う―
 
―俺はふと思う・・・
 
『「どこにも無いんだ」と』――。
 
そして感じる、無の境地。
 
「」、が自、分を呼。ん―――――、、、