Winter Season

こんな街ですら白く染め上げる雪。
そんな雪が恋しくて、そんな私は切なくて。
そして、今年もまた、そんな季節だ。
 
寒空が身に凍みるこの頃。
ふと見上げれば晴天、かと思いきや普通の空。
雲行きは怪しくなるらしい。
誰が言ってたかは、覚えてないけど。
 
そして予報どおりの雲。予測どおり。
こんな調子じゃきっとこうなるなって分かってたんだ。
―視界を覆う灰色の空。
だけど冬だもの、たまにはそんな景色も悪くない。
 
コートを着ようが手袋をしようが、身に凍みる寒さに変わりは無い。
まぁ、着すぎて暑くなるのもどうかなと思うし。
―空は闇へと染まっていく・・・。
 
そんな時だった。
白の蛍が舞い降りる、そして入り込む。
冷え切った衣類の中へ、凍えきった心の中へ。
けれど、それは。
見た目に似合わない冷たさと、それにふさわしくない暖かさを持っていた。
 
ふと気付けばあたりは白色になっていた。
闇で覆われたこの世界に、希望を見出せと言うのだろうか?
いずれにせよ。
今はこの蛍と年を忘れて戯れていようかと思う。