rainy blue

降りしきる雨は冷たく、凍えた街をさらに冷やす。
手袋をしていようが関係なく。
ただ降るだけのそれは、どうしようもなく冷たかった。
 
そこに何の偽りも無く、雨は透明である。
悲しみを表すそれは、皮肉なまでに透き通っていて。
―それゆえ、どこか物悲しさを覚えた。
 
見上げれば、街を照らす"太陽"。
彼らは幾重にもそびえ立ち、降りしきるそれを照らしている。
どんな心情に至れば。
こんな風景にすら何も感じなくなるのだろう。
それを知った時。きっと。
この世にはいないのだろう。
―"その中にいるものはそれの中にいることすら忘れるもの"だから。
 
"If"の話は好きじゃない。
ありえないと分かりつつ、それに夢を抱いてしまう、
―そこに感情移入する自分が、嫌いだから。
 
 ― 分かり合おうなんて、そんなこと、無理だってのに。
 
凍えた街は冷え切っていて、雨がそれをさらに冷やす。
マフラーをしていようが関係なく。
―ただ在るだけのこれは、どうしようもなく、凍えきっていた・・・。