諸行無常

都会に降る雪には終わりが目に見えていて
いつしか雨に変わるもの
ここが白銀の世界に覆われるのも
また白昼夢だというのだろうか
 
やがて雨もその勢いをどこかに置き忘れ
雀の涙ほどの雨となる
ここがアメンボの踊り場と化したのも
きっと水溜まり程の気の迷い
 
サボっていた太陽もようやく顔を出し
夢と光を皆に注ぐ
それを注がれたボクたちは
純白の夢のままに夜を迎える
 
いつしか天のうさぎは餅をつき
豆電球のセレナーデ
輝きを保ったまま
ボクたちは眠りの床につく
 
 
廻る廻る
時代はボクたちを置き忘れながら
廻る廻る
地球は彼らを忘れていきながら
 
祇園精舎の鐘の声
輪廻転生の儚さを歌う
私利私欲の金の音
欲望やまぬ崩壊を表す
 
奏でる音久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
猛る心も遂には折れる
ひとえに風の前の塵に同じ