一人の風景

生まれたときは、白

そうしてだんだんだんだん
気づいたら黒い点がついていって

ある人は、白と黒が半分くらい
あぁ、あの子はまだ真っ白だったのに
あの人は真っ黒に近い

そしていつか、時間を止める
そしてそこで、一枚の絵になる

不思議なもので
その絵はある角度から照らすと白黒に
またある角度から照らすと七色に輝く

皆、誰しもが


そこに上手い下手は無く
そこに構図も色使いも無く

ただ一枚の絵として
後の世に伝えられるだけ

ただ偶然
いい美術館におかれたものだけが
千年の時を越えて人に愛されるのだ



人は、ずっと、ずっと
キャンパスに色の塊を投げつけてるだけなんだ