夕立

降り始めた雨は僕を濡らしていく
うっかり傘を忘れた僕だから
すぶ濡れになることだけを期待して
すっかり開き直っている

空には綺麗な青色すら見える
ぽっかり開いた雲の隙間から
けれども雨は次第に強くなっていき
ゆっくり街を覆っていく

明日は蒸し暑いだろうな
そうして気配のない明日に身を寄せて
今日の倦怠をどこかへ置き去りにする

嘲笑うように強くなっていく雨に
僕はこうして濡れるしか出来ないのなら
いっそあきらめて
この流れに身を任せてしまうのもいいか

昨日は涼しかったよな
そうして消えかかる昨日に後ろ髪を引かれて
今日の倦怠を何とかして紛らわす

雷まで鳴り始めた酷い雨に
僕はこうして濡れるしか出来ないのなら
いっそ投げ出して
このまま嘆き続けるのも一つだろう

やがて晴れると分かっているこの雨に
僕は濡れ続けるしか出来ないのだから
いっそあきらめて
分からぬいつかを信じるのも一つだろう